あちこちに貰われて行った洋服や小物達。
新しいのオーナーの下で、新しい活躍をすることでしょう。
さて、まだ私の手元にある洋服がありました。
これはかなり個人的ですが、息子の通学にお願いしているトライシクルドライバーに渡そうと思いました。
彼には3人の子供がいます。
彼のトライシクルは自分のものではなく、毎日、オーナーから1日100ペソで借りています。
1日の彼の稼ぎからレンタル料を引くと残るのはいくらでしょう。
息子の通学の費用は他よりも少し高めですが、その時間は全くお客を取れないので仕方がありません。
そして、これが彼の家です。
この日は朝から雨が降っていました。
彼の家は土の上に直接建てられているので、床は雨が流れ込んでいて、泥でグチャグチャでした。
「もし、渡した洋服が着れない場合は、人に譲ってもいいし、売ってもいいからね。」 そう、伝えました。
彼だけが、特別貧困な訳ではない。
このレベルの生活をしている人は他にもいる。
このレベルよりも、もっと大変な生活環境の人もいるだろう。
でも、彼に洋服を渡してあげたいと思った。
毎日息子の迎えをお願いするには、トライシクルドライバーを信用しなければやっていけない。
この1年、お互い色々なミスや勘違いを克服してきた。
そして、今は彼を信用している。
そんな彼に、この大切に預かった洋服たちを渡してあげたかった。
大切にしてくれる新しいオーナーの笑顔はきっと最高だろうと思う。